ブラジルカヌー事前キャンプ

2021年に延期された東京オリンピック・パラリンピック。開催について様々な意見のある中、私は2週間半の間、宮ケ瀬カヌー場でブラジルカヌー選手団の事前キャンプ対応を任された。

連日34、5度の炎天下での練習に、選手は体力を消耗しているようすだった。そこで監督が、湖面に出なくても漕ぐ練習をする方法を思いついたのである。

ホワイトボードのキャスター1個を古いほうきの枝に固定し、それをパドルがわりに、艇庫内で漕ぐ練習をするのだという。管理棟のスタッフに伝えると、慣れた手つきで柄に穴を開け、その穴に太い針金を何度も通してキャスターを固定。即席練習道具のできあがり!

この「陸用パドル」練習の成果がでたのか、カナディアンシングル1000mでイザキアス選手は見事金メダルを獲得!

選手村で使用された後、この陸用パドルは宮ケ瀬カヌー場へ返却された。ブラジルでの出来事であれば、この「陸用パドル」は金メダルを手繰り寄せたパドルとして博物館入りしただろう。

Posted by NMN