東京2020パラリンピック、ポルトガル事前キャンプ
オリンピックブラジルカヌー事前キャンプでは、ポルトガル語を話せるのは私一人で、朝から晩まで「Nina! Nina!」と、頼られ、勤務時間外でも監督を初め、ドクターやキッチンのボランティア、更に自治体職員からもWhatsappに連絡が来ていたが、パラリンピックポルトガル事前キャンプは選手団の人数が多ければスタッフも多い。私は特定の競技に付いたわけでもなく、たくさんのスタッフの中の一人でしかなく、期間も7日間と短く、始まったと思ったらあっという間に終わってしまったと言うのが一番の印象だろうか。
しかし、ブラジル事前キャンプとは違い、ポルトガルの事前キャンプはイベントが盛りだくさんだった。その中でもバーチャルツアーが2回実施され、1年半振りにガイディングすることになった。私は2019年に全国通訳案内士試験に合格したばかりで、事前キャンプに来ていた4名のガイドの中で一番経験が浅い。そんな私になぜこのような大役を・・・と思ったが、参加者の中には目が不自由な人もいて、その人たちがイメージしやすいようガイディングしてほしいと言われ、私が任された理由が分かった。弱視の人にもわかりやすく描写するとなれば、ガイディング技術以上に語彙力や表現力が必要になる。映像をいかに自然な表現で、カラフルに伝えられるか。それなら、ポルトガル語がネイティブの私が適任。
パンデミック中のバーチャルツアーと言うと、ガイドが観光地を案内する映像をツアー客が自国で見るのが通常だが、今回のバーチャルツアーは目の前にいる選手団に映像を見せる形だったため、皆の反応を見つつ、「ツアー客との連帯感」を久々に感じながらガイディングができてとても幸せな時間を過ごすことができた。